個体ベースモデル

IBMは、Individual-Based Modelの略で、個体(単位の情報)に基づいたモデ ルのことです。個体数が重要な場合や局所的な相互作用が重要な場合などによく使われます。伝統的なLeslie matrix modelなどとは異なるモデルだと考えら れがちですが、実はLeslie matrixもIBMに含まれます。個体ごとに持つ情報、例えば齢や体サイズ、地理的位置などの ことをi-stateと呼びます。

 同じ環境において同じi-stateを持つ個体は同じ適応 度を得ることになります。そのため、同じi-stateを持つ個体をまとめて、 分布情報として扱うことができます。 これをi-state distribution modelとい い、Leslie matrixはdistribution modelに含まれます。 一方、i-stateを個体単位のまま扱うのをi-state configuration modelといいます。私達の研究室で呼ぶIBMは主にconfiguration modelのことです。パラメーターの 範囲や組み合わせが膨大である時など、分布情報として取り扱うのが困難な場 合にconfiguration modelが適しています。

私達の研究室で扱ったことのある研究には次のようなものがあります。

* configuration IBM (cIBM)を用いての寄主-寄生者系の共存要因の解明
* cIBMで北アメリカに生息する周期ゼミ(Magicicada spp.)の進化の要因の解明
* cIBMでヨツモンマメゾウムシの密度依存 的多型の進化のシミュレーション
* 人工生命のモデルとしてのcIBM

実際にcIBMを使ってみたい、という人には、StarLogoをお薦めします。マサチュー セッツ工科大学(MIT)で教育用に開発されたシミュレーターで、簡単な言語でcIBMを作ることができます。

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