寄生蜂

I. Parasitoidとは?

Parasitoidとは日本語で「捕食寄生者」。 「捕食寄生者」の幼虫が寄主としてとりついた他の動物(主に節足動物)の体を食べて成長するところから名付けられています。 子供の頃、モンシロチョウやアゲハチョウの幼虫(青虫)をつれてかえって育ててみたら中から変なムシが出てきた、という体験をされた方もいらっしゃるかもしれません。これはモンシロチョウの幼虫に寄生するアオムシコマユバチや、アゲハチョウの幼虫に寄生するアゲハヒメバチに寄生されてしまったからです。 このアオムシコマユバチやアゲハヒメバチが、捕食寄生者と呼ばれる生物です。

 捕食寄生者は、捕食者(predater)と寄生者(parasite)の中間的な存在です。 捕食者のように取り付いた寄主を必ず殺してしまいますし、寄生者のように成長には一個体の寄主が必要です。 このような捕食者と寄生者の性質をあわせ持った捕食寄生者は、研究対象として非常に重要な地位を占めています。

II. 捕食寄生者の分類

捕食寄生者の雌は、寄主となる生物を見つけるとその体に直接卵を産みつけます。 まれに寄主の体以外の、例えば寄主が食べる植物の上に産卵するものもいます。この場合、孵化した幼虫はその植物の上を歩き、寄主を探して捕食します。 寄主となる生物はほとんどが昆虫ですが、その他クモやムカデなどに寄生するものもいます。捕食寄生者は、寄生の仕方によって以下のように分類されます。

 1. 寄生する寄主の成長段階による分類

  卵寄生(egg parasitoid) -------- 寄主の卵に産卵
  幼虫寄生(larval parasitoid) --- 寄主の幼虫に産卵
  蛹寄生(pupal parasitoid) ------ 寄主の蛹に産卵
  成虫寄生(adult parasitoid) ---- 寄主の成虫に産卵

  寄主が卵の段階で産卵されるが、孵化した捕食寄生者の
  幼虫が捕食し始めるのが寄主の幼虫段階のような場合は、
  egg-larval parasitoidと呼ばれます。

 2. 捕食行動による分類

  内部捕食寄生者(endoparasitoid) --- 寄主の体内に産卵
  外部捕食寄生者(ectoparasitoid) --- 寄主の体の表面、または周辺に産卵

  両方の性質を持つものがまれにいます。

 3. 個体の寄主で育つ捕食寄生者の数による分類

  単寄生(solitary prasitoid) -------- 寄主1個体に対して1個産卵
  群寄生(gregarious parasitoid) --- 寄主1個体に対して複数個産卵

  捕食寄生者のうち、同種の雌個体による複数の産卵を過寄生(superparasitism)、
  複数種による同時寄生を、 多寄生(multiparasitism) といいます。その他、高次
  寄生(hyperparasitism)という寄主に寄生している一次寄生者に寄生するものも
  います。
  
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