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マメゾウムシ

私たちの研究室では、マメゾウムシという生物を実験に利用しています。 このページでは、マメゾウムシを利用した研究を紹介します。マメゾウムシは、ハムシ科に属する甲虫です。名前にゾウムシがつきますが、一般にゾウムシと呼ばれる生物と近縁ではありません。マメゾウムシの幼虫は植物の種子を食べて成長します。一部のマメゾウムシは、小豆やササゲ、大豆などの飼育した豆類を利用するため、貯穀害虫として知られています。

貯穀豆類を利用するマメゾウムシは、簡単に飼育することができます。これらのマメゾウムシは個体群動態の研究に使用されてきました。 また、異なる種や同じ種の異なる地域に生息する集団の間に、羽化日数や産卵数、 成虫の産卵行動や幼虫の資源をめぐる行動に変異がみられます。貯穀豆類のマメゾウムシの中には、種特異的な行動を行うマメゾウムシがいます。 特に、インゲンマメゾウムシの1齢幼虫は他のマメゾウムシの幼虫と異なり、 歩いて豆の中に入ります。マメゾウムシの種間や種内にみられる変異について、次のような遺伝・生態・進化的な研究を行っています。
 
 * ヨツモンマメゾウムシの幼虫にみられる資源をめぐる競争様式の変異研究
 * ヨツモンマメゾウムシの幼虫での資源競争様式と成虫での性淘汰の関係の研究
 * インゲンマメゾウムシの幼虫にみられる特異的な行動研究
 * 野外に生息するマメゾウムシの調査

害虫としてのマメゾウムシ
マメゾウムシは豆の害虫として世界中に広く分布し、野外で栽培されている豆や、収穫されて貯蔵庫に蓄えられている乾燥豆を食害しています。マメゾウムシの害虫化は今から数千年前に起ったと考えられています。害虫種の祖先は野生の豆を利用して生活していました。おそらくその当時から害虫となるための潜在的な能力を備えていまいしたが、ヒトとマメゾウムシはあまり関わることなく生活していました。しかし、ヒトが豆の栽培を始めたことによって、マメゾウムシの一部がヒトにとって好ましくない存在となり、ヒトとマメゾウムシが共通の食物を巡って争うことになったのです。農業には、特定の植物を自然状態では起らないような大規模かつ高密度で栽培するという側面があります。そのような環境では栽培植物に関連した種のみが多量の食料を得ますが、一方で、本来その土地に自生していた植物を利用していた種は食料を失います。その結果、特定の種のみが大発生し、人間にとって大害虫となってしまうのです。

害虫となったマメゾウムシのうち、乾燥した豆を利用できる種は貯蔵環境に適応した貯穀害虫となりました。植物の季節周期から解放されて繁殖を繰り返すこと、栄養摂取なしに成虫が繁殖できること、低い飛翔能力などは、貯穀害虫種にみられる特徴であり、野外のマメゾウムシとは対照的です。 貿易と交通の発展により貯穀害虫種のマメゾウムシはその分布域を急速に拡大していきました。これは害虫化の起源と比べて最近の出来事です。また貯蔵庫では、マメゾウムシにとって自然状態で出会わないような多様な豆を利用する機会が生じたため、多種の豆を食害する害虫種を生み出すことにもなりました。現在でも分布域の拡大を阻止するために検疫の対象とされています。マメゾウムシによる経済的被害は決して小さいものではありません。昔から様々な防除方法が考案されてきました。化学薬品による燻蒸が一般的ですが、天敵導入による生物学的防除やマメゾウムシに抵抗性をもつ品種の開発なども行われています。

  

マメゾウムシの飼育法
私たちの研究室では、マメゾウムシを下の写真のような棚で飼育しています。この棚は温度、湿度一定のチェンバー内に置かれており、マメゾウムシは1年中同じ環境の中で世代を重ねています。種や系統によって多少の違いはありますが、私たちが飼育している環境では卵が豆に産卵されてから約20日ほどで次世代の個体が羽化してきます。下の写真のように角形シャーレを発砲スチロールで2つの区画に区切り、その1区画に豆を入れて産卵させます。週に2回、シャーレをチェックして個体が羽化し始めているシャーレがあれば、新しい豆を空いている区画に入れて1週間産卵させます。1週間後に産卵を確認し、古い豆を捨てます。

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